公認会計士試験に合格後、監査法人に入社し、数年経過後に転職を考える公認会計士は多いのではないでしょうか。
結婚を機にワークライフバランスを考えたり、公認会計士としてのステップアップを考え始めるのも、この時期ではないでしょうか。
そこで、今回は、公認会計士の転職先として人気の一般事業会社での年収や仕事内容や転職する際の注意点などについて紹介したいと思います。
一般事業会社に転職したいと考えている公認会計士の方におすすめの記事となっています。
企業規模別の平均年収
上の図は、賃金事情等総合調査の企業の規模別にみた年代ごとの平均月収を表しています
大企業では、平均月収50万弱がピークに定年まで徐々に低下していく結果になっています。
これは、全体の平均であり、会計士の平均ではないので、会計士が一般事業会社に転職した場合はもう少しあがるでしょう。
転職時の平均年収
公認会計士が事業会社に転職した際の年収は、約700万した。
ジャスネットキャリアの会計士の求人情報381件をもとに計算した数値になります。
転職時の年収は、監査法人時代のシニアスタッフの給与より少し減るくらいが多いい印象です。
退職金
上の表は、中央労働委員会の賃金事情等総合調査で公表しているもので、入社し標準的に昇進した場合のモデルの退職金を表しています。
一般事業会社といったピンポイントではわからないですが、一般的には、勤続年数30年で2千万を超える数値になっています。
監査法人では、パートナーになれない限り、退職金2千万を超えることはないでしょうから、事業会社に転職すると、退職金の面で有利でしょう。
仕事内容
会計士が一般事業会社への転職をする際は、経理、内務監査室、経営企画に行くことが多いです。
業務内容は、経理であれば、決算開示業務、内部監査室では、内部統制監査業務、経営企画では、経営企画業務(中間経営計画・予算の策定、予実管理、M&Aに関する業務、IFRSの業務)です。
共通して、監査法人時代より、ルーティンワークが増えます。
日々のルーティンワークに加え、個別で検討しないといけない事案があったときには、スポットでの仕事が発生するので、その分残業が増えます。
一般事業会社での残業時間
一般事業会社での残業時間は、会社によって様々ですので、一概には言えないですが、監査法人の時より減少する傾向にあります。
だいたい、求人の時間/月+10時間ほどを見ていれば大きく外れることはないでしょう。
一般事業会社への転職で気を付けること
ジョブローテーション
一般事業会社には、ジョブローテーションがあります。
だいたいどこも、1年に1回人事異動があります。
例えば、経理に行きたくて経理で採用されても、ジョブローテーションで経理でなくなることがあるということです。
また、面接時には経営企画に行かせてくれるといわれたのに、入ってみたら、ジョブローテーションによって経営企画に行ける可能性があるだけで、経理に配属されるといった事例が良くあります。
ジョブローテーションが不本意な形にならないように、事前に転職先に聞いておく必要があります。
転勤の可能性
事業会社には、転勤があります。
よくあるのが、本社の経理から工場経理に異動になるケースです。
監査法人では転勤はないですが、事業会社の場合は、上司の判断で転勤になる可能性があります。
工場が多くある会社や、海外に支店を多く持つ会社への転職をお考えの方は転勤になる可能性があるので、転職する際には、事前に会社に確認しておくといいでしょう。
職場に会計士がほとんどいない、採用実績がほとんどない
一般事業会社に転職すると、会計士が周りにほとんどいない状況で仕事をすることになります。
転職を考えている先が、会計士の採用をあまりしていない場合は、会計士というだけで、なんでもできると認識している可能性があり、期待ギャップがある可能性が高いです。
もし期待ギャップがある状態で、転職してしまった場合、求められる業務と実際にできる業務の差にしんどくなるので、注意が必要です。
会計士の採用実績がほとんどない会社への転職を考えている場合は、期待ギャップを埋めるか期待ギャップがないかを確認してから入社しましょう。
新しい情報を自らキャッチアップする必要がある
監査法人では、新しい基準や会計・税務に関する研修は、当たり前のようにあります。
しかし、一般事業会社に転職すると、研修がないところがほとんどなので、自分で情報をピックアップする必要があります。
自分で情報を収集する必要があるので、今まで以上に会計・税務に関する最新情報に敏感になっておく必要があります。
事業会社への転職におけるメリット
ワークライフバランスがとれる
一般事業会社に転職すると、ワークライフバランスが取れます。
監査法人の時よりも残業が少なくなるので、ワークライフバランスをとって私生活を充実させたいという方にはおすすめです。
また、一般事業会社は、5年くらいでやめるといった人は少なく、長期的に同じ職場で働く人が多いので、ワークライフバランスが長期的にとれる安定した生活が見込めます。
福利厚生が充実する
上場している会社や大企業の場合は、福利厚生がいいところが多いです。
家賃補助、資格取得補助、公認会計士協会の年会費なども負担してくれる場合があります。
会社によって手当額がさまざまですが、家賃補助が多くのところであるので、監査法人のときより充実していると感じられる方は多いのではないでしょうか。
やりがいを感じられる
一般事業会社に転職する場合、会計士がたくさんいる環境ではないので、会計の専門家として頼りにされる機会が多くなります。
会計士が周りにいない分、わからないことを気軽に聞ける人がいないので大変な場面も多くありますが、その分やりがいを感じられることが多いでしょう。
また、多くの場合、監査法人での経験や、会計士試験で勉強した内容をフルに活用できるので、会社からも重宝されるでしょう。
一般事業会社への転職を成功させるには?
会社規模の把握
会社の規模の把握は重要です。
会社の規模大きいと、会社が行っている会計処理や、取引内容などの全てを把握するには何年、何十年も必要になります。
一方で、会社の規模が小さいと、全て把握するのにはそんなに時間はかからないでしょう。
ご自身が、どのくらいまで経験したいかで、どの規模の会社に行くかは変わってきますが、
会社の取引、会計処理など全部を把握したいという方は、規模の小さめなところがおすすめです。
逆に、全部を把握するというよりは、福利厚生もよく、定年まで働きたいと思うなら、上場している大手の会社がおすすめです。
会社の評判をリサーチ
転職先を探し、目星をつけたら、その会社の評判をリサーチしてください。
色々なサイトがありますが、個人的には口コミ数が多いので、OneWorkがおすすめです。
実際に働いている人、働いていた人のリアルな情報があるので、事前にリサーチしてから入社しましょう。
転職エージェントの活用
会計士が転職を考える際には、会計に特化した転職エージェントを利用するといいです。
会計に特化したジャスネットキャリア、マイナビ会計士、MS-Japanなどのエージェントを使うことで、業界の情報を正確に素早く入手することができます。
エージェントは、転職先の会社と私たち会計士を仲介してくれるので、転職先の会社の情報に詳しく、会社の裏話を知っていたり、年収の交渉、行きたい部署の交渉までもしてくれます。
まだ、本格的には動きたくないという方も、登録だけしておくことで、どんな案件があるのか確認でき、情報収集できるので、登録だけでもしておくといいでしょう。
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おわりに
一般事業会社への転職について記載しましたが、いかがでしたでしょうか。
一般事業会社への転職は以下の目的がある人がするといいでしょう。
一般事業会社への転職におすすめな人
ワークライフバランスを取りたい
長く勤務したい
監査以外の経験を積みたい
退職金を多くもらいたい
こういった希望を持つ方はおおいのではないでしょうか。
転職する際に重要なのは、正しい情報を入手することです。
必ず転職エージェントを使い、エージェントから正しい情報を入手してご自身にあった転職先を選んでください。
おすすめのエージェント
皆さんの次のステップへの参考になればと思っています!
皆さんの転職活動が成功することを祈ってます!!